こんにちは!
『マイ・ブロークン・マリコ』といえば、漫画発表当時とても話題になった作品です。
遅ればせながら、実写化映画版のマイ・ブロークン・マリコを観てきましたので、実際どうなの?という方向けに、感想をネタバレなしで書いていきます。筆者は原作既読です。
作品情報
監督:タナダユキ
脚本:向井康介・タナダユキ
原作:平庫ワカ
キャスト:永野芽郁、奈緒、窪田正孝、尾見としのり、吉田羊 他
公式サイトのあらすじは以下となっています。
ある日、ブラック企業勤めのシイノトモヨ(永野芽郁)を襲った衝撃的な事件。それは、親友のイカガワマリコ(奈緒)がマンションから転落死したという報せだった――。彼女の死を受け入れられないまま茫然自失するシイノだったが、大切なダチの遺骨が毒親の手に渡ったと知り、居ても立っても居られず行動を開始。包丁を片手に単身“敵地”へと乗り込み、マリコの遺骨を奪取する。幼い頃から父親や恋人に暴力を振るわれ、人生を奪われ続けた親友に自分ができることはないのか…。シイノがたどり着いた答えは、学生時代にマリコが行きたがっていた海へと彼女の遺骨を連れていくことだった。道中で出会った男・マキオ(窪田正孝)も巻き込み、最初で最後の“二人旅”がいま、始まる。
https://happinet-phantom.com/mariko/
感想
全体の感想
観客に大衝撃を与える映画でした。画面から伝わる圧倒的なパワー、パンチ力。シイちゃんの思いを常に全速力でぶつけられます。鑑賞当時、エンドロールが終わっても周りのお客さんがなかなか席を立たず、「あれ、まだ続きある……?」と身構えていました。今思うと皆さん余韻で立てなかったのかもしれません。
映画全体に原作と同じドライな雰囲気が漂っており、語り口はどこか淡々としています。観客はただただ突き進むシイちゃんの生き様を見届ける、それだけです。しっとりした演出は特に感じなかったのですが、気がついたら静かにスーッと涙が流れている……という場面が何度もありました。とにかく熱量の高い85分間でした。
原作再現度はどう?
台詞やコマ割りの細部に至るまで再現度が高いです。あっこれ漫画で見た!なカメラワークがたびたび登場します。原作既読者は鑑賞前に漫画を読み返していくのをオススメします。
実写化と聞くと原作改変を心配する方もいらっしゃると思いますが、とても忠実に原作を再現してくれています。前述の通り、独特のドライな雰囲気も再現されています。
追加シーンも物語の軸を強固にしており、映画をより楽しめるものになっていました。出番が増えながらも最後まで脇役に徹するマキオ(窪田正孝さん)がとてもいい塩梅で特によかったです。これはシイちゃんとマリコの物語ですからね。
こういう実写化は本当にうれしいな〜と思います。
キャストさんと演技について
俳優陣の演技もとても良かったです。
永野芽郁さんのワイルドな演技、惚れますね〜。顔をぐしゃぐしゃにして泣くシイちゃんのシーンは、「役者さんすごい!!!」ってなりました。まさに体当たり!
マリコ役の奈緒さんもとても役にハマっていました。マリコのふんわりした儚さと怖さがそのまま三次元にいる感じです。
それから、中学時代シイちゃん役の佐々木告さんが、凄い……。やさぐれ感の表現が本当に上手で、すごく惹き込まれました。この演技は一見の価値ありです。
その他印象的だった点
BGMも印象的でしたね。基本は音が少なく、静寂を感じさせる作りになっているといいますか。パンフレットによると、シイちゃんをギター、マリコをグロッケンで表現しているそうです。確かにギターの音が一番頭に残っています。
パンフレットですが、漫画と同じB6サイズでコミックのような質感になっています。そしてなんと、映画の台本がまるっと載っているんです。贅沢すぎやしませんか?映画が気に入った方はぜひ手にとってほしいです!
総評
原作リスペクトが高く、俳優陣の名演も相まってとても良い映画になっています。気になる方はぜひ!
追記:Amazon Prime Videoで配信開始されたようです!
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