こんにちは!相宮と申します。
私の推し漫画『アフターゴッド』の3巻が最近発売されてうれしいので、記念に感想を書いていこうと思います!
『アフターゴッド』が気になっている方、感想を共有したい方の参考になれば幸いです。
先日の1巻に引き続き、本日は2巻の感想になります。
1巻の感想はこちら→『アフターゴッド』1巻感想
作者・江野朱美先生について
『アフターゴッド』の作者である江野朱美先生は、大変繊細かつ迫力のある画風が特徴の漫画家です。
やや劇画調なタッチで心理描写にとても長けています。さらに細かな伏線と回収の気持ちよさで一気に読ませてくれます。
また哲学的・抽象的な語りが多く、読者を思考の渦に引き込むのが大変上手い作家です。考えることが好きな方にオススメです。
本作以前は江野スミ名義で『亜獣譚』『たびしカワラん!!』『美少年ネス』を連載していました。どれも傑作ですので、よかったら読んでみてくださいね。
『アフターゴッド』について
2巻あらすじ
神の居場所が危険区域となっている東京。「神殺し」を誓う少女・和花は、対神科学研究所が生み出した人造人間・名有との戦闘を強いられる。和花の中に、彼女自身も制御不能な凶暴性が潜んでいると知りつつ、研究所の外で生活させるよう提案する時永だったが、思わぬ事態が発生し……?
『アフターゴッド』2巻 裏表紙より
※以下、ネタバレありのあらすじです
神と呼ばれる巨大生命体、Idolatry Prohibited Organism(略称:IPO)に対抗するため、対神科学研究所は日夜研究を続けていました。そこにIPOのような瞳を宿す和花が現れます。研究所は和花の瞳を研究対象としますが、謎はあまりに多いです。一方和花は新居のアパートで先住人たちと食事会をした際、時永の友人・帯川から京都へ誘われます。ひと悶着あり、時永含む対神研のメンバーと京都へ遊びに行くことになりましたが、その道中IPOのようなものが出現して……。
2巻の内容はこのような感じとなっています。一気に話が展開し、続きが気になるストーリーです。
感想
物語は急展開し、SFの世界観が一気に喉元まで迫ってまいりました。主人公・和花に宿る能力の正体や、神──IPOの生態に肉薄します。
2巻では何体かのIPOがお披露目されます。「アフアズ」と呼ばれたIPO。駅に現れた蛇のような疑似IPO。そして和花に宿る「アルラ」……。神は6体いるとのことなので、まだ登場していないIPOもいるようです。アフアズとアルラの間には対立がうかがえるため、どうやらIPOにも派閥があるようですね。
個人的な2巻の目玉シーンは、なんといっても第15話『崇拝蠱惑』です。アルラとしての人格が溢れ出す様は美しさを飛び越えて恐怖すら感じます。IPOが「見てはならないもの」とされる所以も、この話を読めばなんとなく理解できる気がします。IPOの言葉は一見難解でついていけないのですが、心の奥底で分かったような気になってしまうのです。これが「崇拝」という感情なのかもしれません。ちなみに15話はマンガワン版だと一部カラーで読めます。単行本版(モノクロ)とはかなり印象が違いますよ。
1巻では敵なの?味方なの?とハラハラする危うい役を演じた時永さんですが、2巻ではすっかり癒し系キャラになっています。むしろ和花ちゃんがイケメン枠で時永さんがヒロインなんじゃないかな。尖ったキャラクターが多い中で非常に温和な人物だからでしょうか、すごく可愛く見えます。時永「さん」と呼ばせてください。
新登場した友人・帯川も個性的なキャラクターです。初登場時から振り切れたテンション、第9話の歓迎会で披露した独特の言語センスなど、お茶目な面が目立ちます。彼にはアルラが見えているようなので、今後重要人物としてストーリーに関わってくることになりそうです。
前半の扉絵では時永&帯川の日常が描かれており、ふたりの関係が示されています(実は1巻の扉絵にも登場しています!)。
表紙は上目遣いでこちらを見つめる時永さんです。なんだヒロインか。今回は口元にタイトルロゴが置かれています。ベストの柄の描き込みも美しいです。1巻よりも技巧を凝らした、銀印刷が透けて光る特殊装丁です。帯がついていたら外して眺めてみてください。きれいですよ。
以上、急加速した2巻の感想でした。
次回は3巻の感想を書いていきます。
3巻感想→『アフターゴッド』3巻感想
『アフターゴッド』は、小学館のアプリ『マンガワン』で無料で読めます。
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