こんにちは!相宮と申します。
私の推し漫画『アフターゴッド』の3巻が最近発売されてうれしいので、記念に感想を書いていこうと思います!
『アフターゴッド』が気になっている方、感想を共有したい方の参考になれば幸いです。
順に書いていくため、本日は1巻の感想になります。
作者・江野朱美先生について
『アフターゴッド』の作者である江野朱美先生は、大変繊細かつ迫力のある画風が特徴の漫画家です。
やや劇画調なタッチで心理描写にとても長けています。さらに細かな伏線と回収の気持ちよさで一気に読ませてくれます。
また哲学的・抽象的な語りが多く、読者を思考の渦に引き込むのが大変上手い作家です。考えることが好きな方にオススメです。
本作以前は江野スミ名義で『亜獣譚』『たびしカワラん!!』『美少年ネス』を連載していました。どれも傑作ですので、よかったら読んでみてくださいね。
『アフターゴッド』について
1巻あらすじ
神の居場所が危険区域となっている東京。姿を消した友人と会うため、危険区域の奥を覗いていた少女・和花。彼女には「何か」が宿っている。それは破滅への引き金か。世界を救う武器か。和花は叫ぶ。「私は神を許さない」。『亜獣譚』の江野スミあらため江野朱美、渾身の問題作、始動──────
『アフターゴッド』1巻 裏表紙より
※以下、ネタバレありのあらすじです
この作品には、「神」という存在が登場します。とはいってもキリストなどとは全くの別物です。この世界での「神」は、正体不明の巨大生命体。神と目が合うと人間は死んでしまいます。
神によって親友を殺された主人公・和花は、親友のため神の住む東京にやってきました。
そこで出会ったのは、神の手下を自称する少女と、研究員の男・時永でした。和花が特殊な能力を持っていることに気がついた時永は彼女を研究所で保護しますが……。
というのが1巻のざっくりとした内容です。
世界観と主人公和花の目的、特殊能力についてが主な描写ですが、まだまだ謎が多い内容となっています。
感想
とにもかくにも、独特の世界観がクセになります。神と思しき物体の描写は圧巻です。
特徴的なうにょうにょ(単行本表紙にも描かれています)も細かい筆致で描かれており、うっとりしてしまいます。
江野先生は非常に画力が高く、かつ表現力が豊かです。「魅せる」漫画を描かれる方です。端々からそれを感じ取ることができるかと思います。特に心理描写においてその長所がふんだんに活かされています。戦闘描写にも迫力と勢いがあり、読み応えがありますよ。
お話にはシュールレアリスム的な要素も感じるかと思います。これは過去作の『たびしカワラん!!』1巻に通じるものがあります。過去作を踏まえて考えると、この1巻はおそらく「すべてが伏線の巻」です。あとで読み返すと意味が分かって頭を抱える、そんな始まり方です。
正直なところ1巻時点では内容に難しさを感じますが、これが江野先生の作品の醍醐味のひとつなのです。読み進めるにつれて、私たちは世界観から抜け出せなくなっていく──この作品にはそういう信頼と期待があります。謎を感じれば感じるほど、後々の謎解きが楽しいのです。
冒頭でわざわざ作者紹介をしたのはそのためです。江野先生なら安心して読めるというのをお伝えしたかったので。
現に筆者は3巻を読み終えてからこの記事を描いていますが、もうこの世界観にズブズブです。おもしろいよ!!!おいでよ!!!
単行本表紙はかなりインパクトのあるものになっています。主人公の両目がタイトルで覆い隠され、読者と視線が合わないデザインです。なぜこのデザインなのかは読み進めれば分かります。ちなみに豪華な銀印刷なので、装丁マニアの私は手に取って興奮しました。特殊装丁がお好きな方はぜひ紙の本をお手に取ってみてください。
1巻だけでもミステリアスで大変面白いのですが、2巻以降で一気にアクセルがかかる作品でもあるので、個人的には2巻以上の一気読みをオススメします。
次回は2巻の感想を書いていきます。
2巻感想→『アフターゴッド』2巻感想
『アフターゴッド』は、小学館のアプリ『マンガワン』で無料で読めます。
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